夫婦のお金の管理方法は、その家庭によりさまざまです。
働き方や子どもの有無により、ライフプランの方向性も異なるでしょう。
お金の管理方法は夫婦で話し合い、それぞれに合った方法を選ぶことが円満の秘訣です。
今回は、夫婦のお金の管理方法とコツ、貯蓄する際の秘訣を紹介していきます。
夫婦のお金の管理方法6つ
夫婦のお金の管理は、夫と妻のどちらかが管理したり、財布を分けたりとさまざまな方法があります。
はじめに、どんな方法があるのか見ていきましょう。
①費目別に支払いを分担する
まず、家計の支出に対し、夫婦で担当する費目を決めて管理する方法が挙げられます。
出費の中には固定費と変動費があり、固定費は毎月決まって支払う家賃や通信費・保険料などで、変動費は食費や水道光熱費・交通費・お小遣いなどが含まれます。
これらの支出の中で固定費は夫、変動費は妻などのように分けるか、金額の高い項目は収入の多い方が担当すると良いでしょう。
夫婦の間で収入に差がある場合でもそれに見合った管理ができるようになります。
費目で分ける場合は、定期的に家計全体の状況を把握して、値上げや物価状況なども含めた管理をすることも大切です。
②共同口座に毎月定額を入金する
家計管理に必要な金額を1つの口座にまとめて、すべての生活費はそこからやりくりすることも良い方法です。
共同で使う口座に夫婦それぞれが毎月一定額を入金することで、家計管理の1本化を実現します。
このとき、買い物をクレジットカード中心にすることや、家計簿アプリなどを導入すると、家計の可視化が可能となります。
夫名義で共同口座を作るなら夫名義のクレジットカードと、妻は家族カードを使えば利用金額の可視化が可能です。
家計簿アプリは口座と連携できるものもあるので、夫婦で家計管理したい場合にも利用しやすくおすすめです。
また、自分の収入から家計に入れる分を除いた残りは、それぞれが自由に使えるお金とすることで、趣味や貯金などにも使うことができます。
事実上、お小遣いは自分の収入から出すことになりますが、収入を増やせばお小遣いも増えるので仕事に対するモチベーションも上がるでしょう。
共同口座に入金する金額は生活費に余裕をもたせた金額だけでなく、将来に向けた貯蓄分も盛り込んでおきたいものです。
貯金をいくらにするかも話し合っておけば、毎月確実に貯金できることも共同口座を使うメリットといえるでしょう。
③夫婦の収入をまとめてお小遣い制にする
夫婦の収入をまとめて管理することも選択肢の1つです。
世帯収入として家計管理をすることで、シンプルな家計管理を実現します。
夫婦それぞれにお小遣い制を導入し、毎月決まったお小遣いにすれば使いすぎを予防することにもつながるでしょう。
ただ、「誰が」管理するかが問題となりやすいことや、管理する側への負担になりやすいことは配慮が必要です。
できれば、事前に話し合って決めておき、定期的に夫婦で家計を把握する時間があると良いでしょう。
④一人の収入を生活費・もう一人の収入を貯蓄に回す
夫婦のうち一人の収入を生活費にあてて、もう一人の収入を貯蓄に回す方法もわかりやすくておすすめです。
例えば、夫の収入を生活費に、妻の収入を貯蓄に回すなどが挙げられます。
この場合、夫の収入だけで生活できることが前提となりますが、妻の収入が多いなら妻の収入を生活費にあてることも良いでしょう。
ただ、生活費にあてる側の会社の経営が悪化したり、倒産やリストラなどの可能性はゼロではありません。
不測の事態になったときでも、生活していけるよう家計も工夫していくことが必要です。
⑤一人がお金の管理を担当・もう一人はお小遣い制にする
現代でも良くある方法として、夫婦のうち一人がお金の管理を担当し、もう一人はお小遣い制にする方法が挙げられます。
共働きでもどちらかが専業主婦(夫)でも、導入しやすい方法です。
一般には妻が家計管理をして夫がお小遣い制になることが多く、この方法を導入している場合はお金を管理している妻に裁量が偏りがちです。
こうした側面があるものの、家計管理の方法としてはよくあるパターンだといえるでしょう。
⑥夫婦に合う方法でお金の管理をする
夫婦のお金の管理は、どの方法が最適とは言い切れないものがあります。
そのため、夫婦にとってやりやすい方法や自分たちに合っている方法で管理していくのがおすすめです。
また、夫婦の働き方が共働きなのか、どちらかが家にいるのかはもちろん、会社員やパート・在宅勤務など働き方にも影響される部分はあります。
家計管理の時間を作れるのはどちらか、こまめに記録をつけられるかも考慮した上で自分たちに合ったお金の管理方法を見つけましょう。
夫婦でお金を管理する際の注意点
夫婦でお金を管理する際は、よく話し合うことはもちろん後々のトラブルを避けるためにも注意したいことがあります。
夫婦二人で管理する場合・どちらかが管理する場合でも、ここで紹介することには注意してくださいね。
夫婦名義の口座は作れない
共同口座を使って家計を管理する場合、夫婦名義の口座は作ることができません。
夫婦共働きなら給料が振り込まれる口座は夫婦それぞれとなり、収入の入り口が分散してしまいます。
共同口座に余裕をもたせた一定額を入金するとしても、ややどんぶり勘定になりやすい点は注意が必要です。
キャッシュカードはどちらが所有するか、といった部分でも話し合いが必要でしょう。
複数の口座を使い分ける
夫婦それぞれの給料が振り込まれる口座と、生活費が引き落としになる口座、貯蓄用の口座など複数の口座を使い分けて家計管理をするケースもありますが、口座の数だけ管理に手間がかかる点は注意が必要です。
インターネットバンキングを活用する場合でもログイン情報が複数ある状態となることや、キャッシュカードの枚数が増えることは、家計管理を複雑にしてしまう恐れもあるでしょう。
また、生活費の口座名義は夫、貯蓄口座の名義は妻などのように口座名義が違うことも家計管理をややこしくさせる原因となります。
すべてのやりくりを一つの口座でするのも無理があるため、複数の口座を使い分ける際は必要最小限にすると良いでしょう。
負担額を不公平に感じないようによく話し合う
自分の収入から家計にお金を入れる場合、負担額の公平を意識しましょう。
夫と妻の収入差がある場合は、それぞれの収入のうちの何割を負担するといった考え方にすると、金額に差が出たとしても不公平ではなくなります。
公平な負担額にするなら負担割合を決めることがおすすめです。
その際には、妊娠や出産などライフイベントの発生により、片方が働けなくなったときのことも見据えて、柔軟に対応できるよう話し合うことも重要です。
定期的に家計状況を共有・見直す
家計は経済や世界情勢、その他のさまざまな要因の影響を受けて変化します。
物価の高騰や経済の低迷、妊娠や出産・介護などほかにも多くの要素が絡み合っているものです。
家計はこのような変化があったとしてもやりくりしていけるように組み立てておくことが重要なので、定期的に夫婦で家計状況を把握し必要に応じて見直すことも必要です。
また、家計状況や見直しについては夫婦で共有することで後々のトラブルを避けることができるでしょう。
夫婦で貯蓄に成功する秘訣3選
夫婦のお金を管理していく上で、将来を見据えた貯蓄はとても重要です。
しかし、定期的にスマホを買い替えたりマイカーやマイホームの購入など、夫婦二人だけの生活でもなかなか貯蓄しづらいケースもあるでしょう。
夫婦で貯蓄を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえた取り組みが必要です。
ここでは夫婦の貯蓄を成功へと導く秘訣を紹介していきます。
①貯蓄ルールを明確にする
まず、貯蓄ルールを明確にすることを考えましょう。
貯蓄ルールとは、月の貯金額を決めることや貯金したら最低でも何ヵ月はおろさないなどのルールです。
そしてキャッシュカードなどお金をおろせるものは、夫婦どちらかが保有するのではなく、お互いに管理できる環境下に置くのが良いでしょう。
そのほか、どの金融商品に預けるか、貯金だけでなくNISAなどの制度も利用するなど、よく話し合って決めましょう。
②負担なく継続できる金額を設定する
一定額を毎月積み立てる場合、生活に支障がでない程度かつ継続できる金額を設定しましょう。
「いつまでいくら貯める」など目標を決めることは大切ですが、毎月の生活費を圧迫するようでは負担が大きい状態です。
そのため、生活費と貯蓄分を夫婦の収入から差し引いてもおつりがくるくらいが望ましく、目標達成まで継続できる金額設定が理想的です。
ボーナスがある場合は、月々は少額でもボーナスから月額の5ヶ月分を貯蓄に回す、といった方法も検討する価値があります。
③先取り貯金をする
貯蓄額が決まったら、毎月の収入からその分を先取り貯金しましょう。
収入から支出を差し引いた残りを貯蓄に回す方法も悪くはありませんが、家計状況によっては増減することも出てきます。
確実かつ計画的な貯蓄をするためには先取り貯金が不可欠と決めて、無理のない範囲で先取り貯金を実践することをおすすめします。
まとめ~夫婦のお金の管理方法はよく話し合って決めよう~
夫婦のお金の管理は、給料日のタイミングや金銭感覚の違いなどもあり、なかなか一筋縄ではいかないものがあります。
しかし、今後の将来を一緒に生活していく上でもお金の管理は必要不可欠なものです。
さまざまな管理方法がありますが、まずは良く話し合い無理のない範囲で家計のやりくりをはじめましょう。
また、共同口座を作ったりどちらの収入を生活費にあてたりと、それぞれのお金の管理方法のメリットとデメリットも考慮した上で決める事が重要です。
自分たちに合う方法で円満な家計管理を目指していきましょう。